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2008/09/13

メタミドホスの夏がゆく

メタミドホスという名前をはじめて聞いたのはギョーザ事件の時。その記憶がオリンピック閉幕と共に消えていくかと思いきや、中国国内でそのギョーザが流通したことから中国国内での混入が決定的となり、互いに自国内での混入を否定してこう着状態にあった事件は動きだした。そのうち決着するだろうと思ったのも束の間、今度は三笠フーズに流れた事故米が食用に消費されていた事件で再びメタミドホスの名前が登場した。

事件発覚後、三笠フーズは意外に早くすべてを明らかにした。
恐らく、あの社長はいつかこういう時がくることを分っていたのだろう。
食品の偽装というのは、発覚したが最後、会社の存続は不可能だという認識が常識となっている。もう忘れかけているけれど、いろいろあった。

牛肉偽装事件(BSE絡み・補助金不正受給)
雪印集団食中毒事件(食中毒)
不二家(賞味期限切れ原料使用)
船場吉兆(賞味期限改ざん・食材再利用)
白い恋人(賞味期限改ざん)
赤福(賞味期限改ざん)
比内鶏(虚偽表示)
うなぎ(産地偽装)
ミートホープ(原材料偽装)etc...

影響の程度や経緯は様々だが、食品に対する信頼はここ数年で確実に大きく失われた。
事件の背景にあるのは
・安全・安心よりも儲けを優先する利益至上主義
・賞味期限などに過敏な消費者
・食品の多くを輸入に頼っていること、内外価格差
・安全管理体制の不備
というようなことではないだろうか。

経済がグローバル化する中で、食べ物がどこからどうやってきて自分の口に入るかがとても見えにくくなっている。安ければ安いほど良い、という消費者の動向が輸入品の増大に拍車をかけ、業者は安全より利益を優先する。その中でモラルが失われ、当局の安全管理体制が追いつかなくなっている。そんな感じがする。

資源もなく食料自給率も低い一方で、飽食の日々を謳歌している日本という国は、歯の折れそうな高下駄をはいて歩いているメタボな巨漢のようなものだ。
それが豊かさと言えばそうなのかもしれないが、健康体とはいえまい。いずれいろんなところが悪くなってくるはずだ。食品に関する事件もそのうちの一つではないだろうか。日本というその巨漢が変わるにはその一つ一つの細胞である我々が変わらなければならないのだと思う。環境問題にしてもそうだが、結局はそういうことだろう。

だが、企業の責任は重大だ。
上の事件を起こした企業の中には再建中のものもあるが、つぶれてしまったところもある。偽装は、一度手を染めたら死ぬまで止められない悪魔のささやきといえるだろう。
こういったことを未然に防ぐには、企業が道を誤らないための体制づくりと、消費者の意識改革が必要なのではないだろうか。

社長が道を外れないための社内体制、外れさせないための外部からの管理体制、そういったものだ。それと、賞味期限などを気にし過ぎる消費者の考え方。まだ食べられるものを捨てるというのは、企業にとって損失となるだけでなく、食料自給率の低い日本にとって、より自給率を下げ、販売・製造・生産者、ひいては消費者である自分達の首を絞めることにもなる、ということを考えた方が良い。輸出できるほど食料を生産している国ならともかく、それが日本人の身の丈にあった暮らし方だろう。
なんだか辛気くさくて嫌になるけど、供給されている食料のうちの4分の1がゴミになっているというから、それをゴミにしないだけで随分状況は良くなるのだ。実際はそんなに難しいわけでも、辛気くさいわけでもないと思う。

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