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2007/12/03

便利さを提供するサーバーが地球を蝕む

普通、オフィス用のビルというのは土日は休みだから電力使用量も平日と比べてずっと少ないと思っているだろう。ところが私が県庁の管財課にいた時にデータを見て驚いたのだが、実際は平日も土日も目立った差がないのだ。

土日といえども、県庁には普段と同じように出勤して仕事をする人達がいて、その人達がエレベータを使い、部屋の照明をつけ、コピー機を使い、パソコンとプリンタを使えば、ほとんど普段と変わらない電力を消費することになってしまうが、それでも土日の消費電力が下がらない主な原因はこの人達ではない。

その県の本庁舎では省エネのため、平日は夜8時、水曜は夜7時に全館一斉消灯が行われ、照明用の電力を節約していた。空調も冷房は外気温30度以上と決まっており、暖房も同じような決まりがある。古い建物であったため、断熱や空気の流れが良くないこともあり、場所によってはほとんど空調の恩恵にあずかれない場所があり、ガスストーブを焚いたりしてしのいでいたほどだった。

ところがそういう決まりに関わらず年中快適な部屋があった。それはサーバーや通信関係の情報機器が集中して置かれた部屋である。その部屋に行けば専用のエアコンがあり、いつでも快適な温度に保たれており、ファンの音がうるさい点をのぞけば快適だった。
しかし、たとえば1Uのラックマウントサーバーの消費電力は350Wほどである。これは照明器具として使われているインバータ式蛍光灯の約10灯分にあたる。10灯というと、面積では執務室の島二つ分くらい、つまり二つの係が使う電力に相当するといえるだろう。サーバーの場合、さらにラックにファンが付いていたり、モニタやルータなどの周辺機器があり、それを空調で冷やしていたりするから単なる台数倍以上の電力使用量となる。
つまりサーバー数台で一つの課が年中無休・24時間営業で業務を行っているのと同じくらいの電力を消費しているということである。こういった機器の前では照明用電力の節約など、全く焼け石に水なのだ。

我々の便利さを支えている裏にはこんな大量の電力が使われているということなのである。このことについてはもっと理解されるべきである。最近、ようやくそれに関する記事を見つけた。
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0712/03/news011.html

いくらCO2削減のために工場や家庭が頑張っても、こういった機器を運用するデータセンターなどオフィス部門での消費が増えれば、ささやかな節約の積み重ねなど一気に吹っ飛んでしまう。
省エネ対策の進んだ日本における最も重要な対策対象はIT部門ではないだろうか。

サーバーなどのIT機器は、その信頼性、重要性から人間よりも環境面で丁重に扱われる。しかしそれがために地球環境が蝕まれていくというのは全くのナンセンスであり、早急に対策を講じるべきである。そのためには、例えばデータセンター等、一定規模以上のIT機器を稼働させる施設に対して厳しい電力削減義務を設け、運用者にCO2排出の当事者であるという認識を持たせ、効率的に運用されるよう誘導していくことである。

理想論ではあるが、こんなアイデアがある。
インターネットは物理的な距離を感じさせないインフラである。それならば、熱さに弱いサーバーはみな、南極と北極近くの寒いところに建てたサーバー室に収納して天然のエアコンで冷却してやれば良いのだ。冷却装置もファンも要らない。そしてサーバー駆動用の電源は凍った大地に太陽電池パネルを敷き詰めて賄えば良いのだ。太陽光を遮るから地面は凍ったまま保たれる。
冬場、日が昇らない間は反対側の極のサーバーを使う。両極のデータは半年ごとにミラーリングしてやれば良い。そうすれば世界中のサーバー室で使われている電力が不要になる。
(なかなかすばらしいアイデアでは?)

あるいは、四方を海に囲まれた日本の場合、沿岸にサーバー室を作って集約し、海水で冷却するということだって可能だろう。これは発電施設の集約・分散といった考え方と対になる、消費施設の集約・分散といった考え方といえるかもしれない。

そのようにサーバースペースを国家等が一元管理することについては反発もあるだろう。けれどもそれによるエネルギー消費が無視できないのであれば、そういったことの検討だって排除するべきではないと思う。
途上国には途上国の、先進国には先進国の、とるべき対策があるのだ。

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コメント

北極や南極で排出されたサーバーからの熱気はどうなります?
どれほどの熱を出すかご存じないようですね。
氷とけちゃいますよ。

少し勉強しましょう

投稿: サーバーの排熱で悩んでる16才 | 2008/06/11 17:41

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