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2007年2月27日

2007/02/27

「遠い島」

朝日放送が先日30年ぶりに放送した、硫黄島の生存者と遺族を追ったドキュメンタリーを見た。

クリント・イーストウッドの映画が「イオウジマ」なのに、この番組では「イオウトウ」である。そもそも日本語では「トウ」と発音していたということがまずは驚きだ。30年の間に発音が変わってしまったらしい。

ちょうど映画を見た後だったので、まさにタイムリーな放送で、映画の登場人物たちのその後、といったふうにイメージを重ねて見る事ができたのだが、映画の主人公である栗林中将の映像も一瞬現れ、なるほど、映画はかなり実物に近いイメージだったのだと感心した。
そして戦闘や生存者が捕虜になる場面の記録映像は、映画のシーンとまさに重なる。映画のスタッフもおそらくこのような資料映像を参考にしたのだろう。

映画で気になっていた地熱との戦いについては、レポーターが中に入るとカメラが曇り、汗だくになることで実際の厳しさがよく分った。自衛隊はここで実際に訓練をするのだと聞いたことがある。
そして洞窟に残る遺品の数々は今も兵隊達の戦いの厳しさを物語っていた。

生存者と遺族のその後は、まさにこの戦いと、そこで失われたものをどう処理して生きて行くのかという問題で、残された肉親の悲しみは、スクリーンには映らなかった映画の続編を見るようだった。

戦いによって心と身体に様々な傷を負って復員した兵隊達は、その後戦争の勝ち負けに関わらず、皆そのことによって大きく人生を狂わされていた。英雄になりながら破滅した者、生き残った負い目を背負い続けた者、成功した者、そして戦いで失った肉親を誇らしく思っている遺族。
しかし明らかなのはどんな戦争も始めるのは国家であり、傷つくのはこうした個人だということだ。

傷ついた人たちはあまりにも重いものを抱えて、多くを語れないものだ。しかし次の世代はその背中を見て、語られない多くの事を学ばなければならない。

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